
コーヒーかすを庭に撒くと
草が生えないって本当?

逆に、コーヒーかすは肥料に
なると聞いたけど・・・
コーヒーかすを皆さん、どのように再利用していますか? 草が生えないように庭に撒いていますか? 土に埋めて堆肥化させて肥料にしていますか? 除草剤と肥料、真逆の効果が本当にあるのか検証してみました。
コーヒーかすを庭に撒いた効果

研究報告書では
神奈川県の報告書では、コーヒーかすを施用すると「顕著な発育阻害」が認められたそうです。 本当に影響があるのか検証してみました。
キュウリ、メロンなどのウリ類については、(培土にコーヒー粕を)1%施用で顕著な発育阻害が認められ、生育途中でほとんどの作物が枯死した。
コーヒー粕による作物育成抑制は、肥料成分のうちでも窒素成分の吸収が要因の一つと考えられた。
引用:コーヒー粕の作物生育阻害因子に関する研究~神奈川県農業総合研究所報告 第138号(1998)
庭の片隅にコーヒーかすを撒いた結果
ペーパーフィルターに粉を入れてコーヒーを淹れた後に残る「かす」。 そのコーヒーかすを、庭の片隅に白いネームプレートで仕切った区画にそのまま撒きました。

2か月後の状況は写真の通りで、仕切りの外側の植物は育っていますが、内側は雑草が生えず、外側から迫り出した植物も根を張れていません。 一定程度の除草効果はありそうです。




プランターのコーヒーかすを混ぜた結果
コーヒーかす200gを混ぜた土をプランターに入れ、パンジーを栽培しました。 1か月間観察しましたが、発育に異常は確認できませんでした。 地温の上昇も確認できませんでした。 少量のコーヒーかすでは影響がありません。


・草が生えにくくなる程度の除草効果はある
・庭に少量撒いたり埋めても、植物を枯らす効果はない
コーヒーかすの効用

土壌中の有機物は微生物を活性化
土壌中の有機物は微生物を活性化し、その結果として物理的、化学的、生物学的に土壌を改善させます。
- 土壌団粒を成長させ、保水性・透水性・通気性が改善
- 有機物を餌に微生物が窒素やリン酸など養分を生成
- 微生物のバランスよく保たれ土壌伝染病の抑制
コーヒーかすはほぼ有機物
コーヒーかすの99%が有機物であるため、土壌中に埋めることで、土壌を改善することができます。 ただし、その多くは炭素成分で肥料成分の窒素・リン酸・カリの割合が少なく、肥料としての価値は低いです。
ほぼ99%が有機物で、その多くが炭素成分であり、窒素2%、リン酸0.2%、カリ0.3%程度を含有します。この窒素は微生物によって分解されにくいという特徴があります。
コーヒー粕の農業利用 – 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)
コーヒーかすを用いた堆肥の作り方

コーヒーかすを埋めて微生物の餌とすることで、土壌を改善する堆肥を作れます。
コーヒーかすを生ゴミと共に土に埋める
私は毎週生ゴミを埋めており、その中にコーヒーかすも入っています。 コーヒーかすを生ゴミと共に土に埋め、数週間後に掘り返すとドリップコーヒーのフィルターが出てきます。 中身は無いことから、コーヒーかすは生ゴミと共に微生物に分解され、フィルターは不織布で分解されないため、出土したと考えられます。


参考までに、私が毎週生ゴミの重量を計測し埋めている、2022年の実績はコチラ↓。
コーヒーかすを米ぬかと共に土に埋める
コーヒーかすを米ぬかと共に土に埋めることで、米ぬかと一緒に堆肥にできます。 コーヒーかすと米ぬかだけで埋めると、地温も40℃を超えた時もあり、微生物により活発に分解されたことが分かります。



鉢にコーヒーかすを埋めるのはNG
小さな鉢にコーヒーかすと米ぬかを入れても、地温は上がりません。 掘り起こしてみると、コーヒーかすや一緒にいれた米ぬかは、青いカビの付いた白い塊となっており、分解されず土に還っていませんでした。 分解するためには一定程度の土(微生物)が必要と思われ、鉢では難しいようです。





(拡大写真)

鉢に埋めても、
分解されないから意味ないな
・生ゴミや米ぬかと埋めれば堆肥になるが、肥料としては期待できない
・ただし、容器のなかで土に埋めても分解されず堆肥にならない
おわりに
コーヒーかすはそのまま撒けば多少の除草効果があり、生ゴミや米ぬかと埋めれば堆肥になることが分かりました。 ただし、コーヒーかすに窒素・リン酸などの成分が少ないため肥料としては期待ができず、鉢に埋めても分解されずそのまま残るので意味がないです。
皆さんも、コーヒーを楽しんだ後に発生する「かす」を、堆肥や除草剤として活用してみてはいかがでしょうか。 焼却しなければ、地球環境にもやさしくなります。 その堆肥を使って野菜作りするなら、「シェア畑」で習うことをお勧めします!
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