【実例】抽出後のコーヒー粉(コーヒーかす)を肥料に再利用!

 コーヒーを淹れた後に残るかすには、さまざまな活用方法があります。 この記事では、家庭菜園にコーヒーかすを肥料に活用している実例を紹介します。 肥料を作る方法、ポイントや注意点をお伝えしますので是非試してみてください。

目次

コーヒーかすで肥料を作る方法

 私は、生ゴミと一緒にコーヒーかすを、庭の畑に埋め堆肥化しています。 1年以上続けていますが、よい肥料となり、埋めた場所の近くの野菜の生育は良いです。 

肥料づくりに必要な材料

 コーヒーかすで肥料を作るための道具や材料を準備しましょう。 準備するものは次のとおりです。

  • コーヒーかす
  • 生ゴミ
  • 土(庭又は大きめのプランター)
  • 必要に応じ米ぬか
  • スコップ

 コーヒーかすは、生ゴミと共に埋め発酵させることで、堆肥化され肥料ができます。 期間は2週間~2か月程度です。 生ゴミを集めるには、キッチンに専用蓋つきの入れ物を置いておくと便利です。

コーヒーかすを土に埋める

 庭に穴を掘り、コーヒーかすと生ゴミを入れ、その上から土を被せ埋めています。写真は、玄関横の花壇に、紙フィルターごとドリップコーヒーのかすを生ゴミと一緒に埋めた例です。

掘った穴に生ゴミを入れた状態

 土に埋めてから1か月以上経過後掘り返すと、ドリップコーヒーの紙フィルターのみ出土します。 中身のコーヒーかすは見当たらず、堆肥化され土に還ったことが分かります。

掘り返したドリップコーヒーかす

 私はキッチン用コンポストを置いて、日々発生する野菜くず、果物の皮に加えコーヒーかすを入れています。 生ゴミが土に還るまで2~4週間かかるため、穴を掘る位置を変えながら毎週末埋めています。 キッチンコンポストの例はコチラ↓

  毎回埋める生ゴミの重量を計測し、写真を撮っています。 2022年の実績はコチラ↓。

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コーヒーかすを埋めて肥料として効いた実例

 コーヒーかすと生ゴミを土に埋め、堆肥化させ肥料にすることで、キュウリとゴーヤが、肥料なしで、元気に育ってくれました。

肥料にするためのポイント

コーヒーかす単体では、肥料としての価値は低い

 コーヒーかすの99%が有機物であるため、土壌中に埋めることで、土壌を改善することができます。 ただし、その多くは炭素成分で肥料成分の窒素・リン酸・カリの割合が少なく、肥料としての価値は低いです。

ほぼ99%が有機物で、その多くが炭素成分であり、窒素2%、リン酸0.2%、カリ0.3%程度を含有します。この窒素は微生物によって分解されにくいという特徴があります。

引用:コーヒー粕の農業利用 – 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)

窒素成分の高い他資材(米ぬか等)と混合し埋める

 コーヒーかすの利用方法としては、窒素成分の高い他資材(米ぬか等)と混合し微生物により堆肥化させることが適切との研究があります。  

コーヒー粕の利用方法を考えた場合、・・・窒素成分の高い他資材と混合し、堆肥化処理等の微生物処理を施すことが適切であると考えられた。

引用:コーヒー粕の作物生育阻害因子に関する研究~神奈川県農業総合研究所報告 第138号(1998)

 コーヒーかす単独で埋めるのでなく生ゴミと一緒に埋めると、微生物の働きにより、堆肥化され肥料として効果を発揮します。 特に窒素成分が特に高い米ぬかと一緒に埋めると、堆肥化されるスピードが速くなります。

穴に入れたドリップコーヒーかすと生ゴミ
コーヒーかすの上からまぶした米ぬか

コーヒーかすを肥料にする際の注意点

微生物の働きで地温が上昇に根を損傷させる

 コーヒーかすと生ゴミだけであれば問題ありませんが、「米ぬか」と一緒に埋めると、微生物の働きで地温が上昇し近くに根があると損傷し枯れる恐れがあります。 地温が42℃までし近くに植えてあったキュウリが枯れた実例紹介します。

コーヒーかすを埋めた状況

 穴を掘りフィルターと一緒にコーヒーかすを投入、その上から米ぬかをまぶし、スコップで混ぜ合わせて土を被せました。

コーヒーかす0.3kg
米ぬか0.3kg
スコップで今後させた状態

埋めたコーヒーかすによる土壌変化

 土壌酸度計、温度計を用い土の状態を観測しました。 地温の上昇から、微生物の活動(堆肥化)が埋めた直後から約10日間続いたことが確認できました。

  • 地温は、埋めた直後から上昇し、50時間(2日)経過すると42℃まで上昇した。
  • そこから緩やかに低下し10日後は気温と同程度まで下がった。
  • 土壌酸度は、50時間(2日)経過時、一時的にph6.5まで酸性になった2日後には戻った。

 

周辺植物の育成状況

 コーヒーかすと米ぬかを埋めた約4日後に、隣に根を張っていたキュウリが枯れ始めました。 根が高温にさらされたことによる影響と考えています。 

ゴーヤ元気だが、キュウリの葉が萎れている
坪があ

コーヒーかすを米ぬかと共に埋める時は、
高温になるので注意が必要やな

コーヒーかすを撒くと一定期間、草が生えない

 コーヒーかす単独で施用すると、窒素成分を吸収してしまう性質のため作物を枯らす可能性があるとの研究があります。 私が色々試したところ、生えている植物を枯らすほどの効果は見られませんが、一定期間草を生えなくする効果は確認できました。

キュウリ、メロンなどのウリ類については、(培土にコーヒー粕を)1%施用で顕著な発育阻害が認められ、生育途中でほとんどの作物が枯死した

コーヒー粕による作物育成抑制は、肥料成分のうちでも窒素成分の吸収が要因の一つと考えられた。

引用:コーヒー粕の作物生育阻害因子に関する研究~神奈川県農業総合研究所報告 第138号(1998)

草が生えない例

 庭の片隅に白いネームプレートで仕切った区画にコーヒーかすを撒いたところ、区画内側は雑草が生えず、外側から迫り出した非常に繁殖力が強いダイカンドラも2か月間は根を張れませんでした。 このことから、コーヒーかすを撒くと一定期間草が生えなくなることが分かりました。 

コーヒーかすを撒いた直後(4月1日)の状態
コーヒーかすを撒いて15日後(4月16日)の状態
コーヒーかすを撒いて21日後(4月21日)の状態
コーヒーかすを撒いて35日後(5月5日)の状態
コーヒーかすを撒いて56日後(5月26日)の状態

コーヒーかすだけでは生えている植物に影響ない例

 コーヒーかすを撒くと一定期間草が生えなくなる一方、コーヒーかすだけでは、すでに生えている植物を枯らすほどの効果がありません。 

 コーヒーかす200gを混ぜた土をプランターに入れパンジーを1か月間栽培しても異常は確認できません。 

コーヒーかす200gを混ぜた土
コーヒーかす入り土で1か月栽培したパンジー

 多肉植物をの周辺にコーヒーかすを撒きいたところ、一定期間周囲のダイカンドラが根を伸ばせず草を生えなくする効果が見られますが、すでに生えている多肉植物には影響がありません

9月23日 コーヒーかす撒いて1か月後

おわりに

 コーヒーかすを再利用している状況をお伝えしました。 生ゴミと一緒に埋めると堆肥化され肥料として再利用できます。 皆さんも是非試してみてください! ただし、米ぬかと一緒に埋めた場合、土中が高温になりますので、周囲の植物の根に影響を与えないか注意が必要です。

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データ

 グラフを描く際に使用したデータは以下の通りです。 

観測
日時
土壌
酸度
気温地温
表層
地温
(*1)
植物
異常
21日
12時
7.0272727
21日
17時
7.0262627
22日
8時
7.0252930
22日
21時
6.9263132
23日
8時
6.9273141*
23日
21時
6.5283442
24日
8時
6.5293442
25日
22時
6.9263139
26日
12時
6.9273038
26日
23時
6.9273138
27日
9時
6.9283038
27日
15時
6.9303138
31日
8時
6.9252629
*1:地下5~10cm程度 *:前より5cm、以降は10cm深部を測定
21日
12/17時
22日
8/21時
23日
8/21時
24日
8時
25日
22時
26日
12/23時
27日
9/15時
31日
8時

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この記事を書いた人

関東圏在住、50代男性です。 10年前に家を買ってのを契機に野菜ごみのたい肥化し、花や野菜を育てはじめました。 シェア畑を借りて野菜の育て方を勉強中。 目標は、野菜ごみ堆肥を使い坪庭で育ては食材だけで、夕食の一品を作ることです。 土壌医検定3級合格(土づくりアドバイザー)

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