コーヒー粕(かす)は簡単に肥料になります。 少量のコーヒー粕であれば、生ゴミと一緒に埋めれば土に還り堆肥化されることを毎週実践で確認しています。 ただし、コーヒー粕と米ぬかを一緒に埋めると、地温が42℃まで上昇しキュウリが枯れてしまったので、米ぬかとの併用は注意が必要です。
少量コーヒーかすを生ゴミと一緒に埋めた場合

これまで、生ゴミの中に少量ですがコーヒー粕を入れて畑に埋め続けていますが、埋めた場所の近くの野菜の生育は良く、枯れた例はありません。 少量のコーヒー粕であれば、少なくとも害はなく、逆に副資材として優秀だとの意見もあります。
コーヒーかすは多孔質で生ゴミなどを堆肥化させる際に発生するアンモニアなどの臭い成分を吸着する働きがありますので堆肥化の副資材としてはとても優秀です。
引用:GarDeco Japan 2020.01.08ブログより
土に埋めた例
毎週のように穴を掘り、ドリップコーヒーの粕と、麦茶のパック、その他野菜くずを入れ、その上から土を被せました。写真は玄関横の花壇に埋めた例です。

埋めた近傍の野菜の生育状況
花壇に今年は緑のカーテンとなるように、キュウリとゴーヤを植えていますが、順調に育っています。


コーヒーかすが土に還った証拠
土に埋めてから1か月以上経過後掘り返すと、ドリップコーヒーのフィルターの紙のみ出土しました、中身のコーヒー粕や麦茶は見当たらず、土に還った証拠です。

コーヒーかすを堆肥化する際の注意点

コーヒーかす単独で施用すると害?
研究報告によると、コーヒーかす単独で施用すると、窒素成分を吸収してしまう性質のため作物を枯らす可能性があるそうです。
試しに、コーヒーかす200gを混ぜた土をプランターに入れパンジーを栽培しました。 1か月間経過しても異常は確認できません。 2か月間経過すると、新たな花が咲かず、米ぬかを入れた土のパンジーと比較すると、若干成長が遅く感じました。 総論としては、明確な害は確認できませんでした。
- 地温の上昇ない
- PHは中性(7)に変化なし
- パンジーも順調に成長
- 若干成長が遅い(かも?)
キュウリ、メロンなどのウリ類については、(培土にコーヒー粕を)1%施用で顕著な発育阻害が認められ、生育途中でほとんどの作物が枯死した。
コーヒー粕による作物育成抑制は、肥料成分のうちでも窒素成分の吸収が要因の一つと考えられた。
引用:コーヒー粕の作物生育阻害因子に関する研究~神奈川県農業総合研究所報告 第138号(1998)



(右は米ぬか入れた土)
コーヒーかすの堆肥としての価値
コーヒーかすの成分
コーヒー粕の多くは炭素成分ですが、炭素は二酸化炭素から供給されるため、通常は肥料として与える必要はありません。 窒素は2%ありますが、微生物によって分解されにくいので、肥料自体としての価値は低いです。
ほぼ99%が有機物で、その多くが炭素成分であり、窒素2%、リン酸0.2%、カリ0.3%程度を含有します。この窒素は微生物によって分解されにくいという特徴があります。
コーヒー粕の農業利用 – 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)
コーヒーかすのpH
コーヒー豆は酸性ですが、コーヒー(pH5.2)に大体溶け出すため、 淹れたあとの残りかすのpHバランスはpH6.5~6.8で、ほぼ中性(7)なので、肥料として用いるのに配慮は不要です。
コーヒーかすの性質
作物育成抑制は、窒素成分の吸収が要因と考えられるため、窒素成分の高い他資材と混合すれば、利用可能です。
コーヒー粕による作物育成抑制は、肥料成分のうちでも窒素成分の吸収が要因の一つと考えられた。 (中略)
コーヒー粕の利用方法を考えた場合、・・・窒素成分の高い他資材と混合し、堆肥化処理等の微生物処理を施すことが適切であると考えられた。
引用:コーヒー粕の作物生育阻害因子に関する研究~神奈川県農業総合研究所報告 第138号(1998)
コーヒーかすと一緒に資料できる資材
窒素成分が高く、安価で手軽に入手できる資材として、米ぬかがあります。 米ぬかは窒素分のほか、肥料の三要素 の リン酸 、 カリウム も配合されており、コーヒー粕と混合して堆肥化するのに適した資材です。
米ぬかの成分は、窒素分2〜2.5%、リン酸4〜6%、カリ分1〜1.2%ほどの配合で成り立っており、他にもミネラルやビタミンも豊富です。
米ぬかの使い方|どんな成分や効果がある?肥料や土壌再生にも使える?|🍀GreenSnap(グリーンスナップ)
コーヒーかすと米ぬかの使用例

コーヒーかすの効用を確認するため、「コーヒーかす」と「米ぬか」だけ埋めました。
埋めたコーヒーかすの重量
毎日飲むコーヒーから出る粕と同量の米ぬかを埋めました。
埋めた重量 | 備考 | |
コーヒー粕 | 0.3kg | 6人(回)分 |
米ぬか | 0.3kg |

埋めたコーヒーかすの状況
穴を掘りフィルターと一緒にコーヒーかすを投入、その上から米ぬかをまぶし、スコップで混ぜ合わせて土を被せました。



埋めたコーヒーかすによる土壌変化
土壌酸度計、温度計を用い土の状態を観測しました。 微生物の活動が埋めた直後から約10日間続いたことが確認できました。
- 地温は、埋めた直後から上昇し、50時間(2日)経過すると42℃まで上昇した。
- そこから緩やかに低下し10日後は気温と同程度まで下がった。
- 土壌酸度は、50時間(2日)経過時、一時的にph6.5まで酸性になった2日後には戻った。


観測 日時 | 土壌 酸度 | 気温 | 地温 表層 | 地温 (*1) | 植物 異常 |
21日 12時 | 7.0 | 27 | 27 | 27 | 無 |
21日 17時 | 7.0 | 26 | 26 | 27 | 無 |
22日 8時 | 7.0 | 25 | 29 | 30 | 無 |
22日 21時 | 6.9 | 26 | 31 | 32 | 無 |
23日 8時 | 6.9 | 27 | 31 | 41* | 無 |
23日 21時 | 6.5 | 28 | 34 | 42 | 無 |
24日 8時 | 6.5 | 29 | 34 | 42 | 無 |
25日 22時 | 6.9 | 26 | 31 | 39 | 無 |
26日 12時 | 6.9 | 27 | 30 | 38 | 有 |
26日 23時 | 6.9 | 27 | 31 | 38 | 有 |
27日 9時 | 6.9 | 28 | 30 | 38 | 有 |
27日 15時 | 6.9 | 30 | 31 | 38 | 有 |
31日 8時 | 6.9 | 25 | 26 | 29 | 有 |
21日 12/17時 | ![]() | ![]() |
22日 8/21時 | ![]() | ![]() |
23日 8/21時 | ![]() | ![]() |
24日 8時 | ![]() | |
25日 22時 | ![]() | |
26日 12/23時 | ![]() | ![]() |
27日 9/15時 | ![]() | ![]() |
31日 8時 | ![]() |
周辺植物の育成状況
コーヒーかすの施用した約4日後に、キュウリの葉が枯れ始めているのが確認された。 キュウリとゴーヤの中間地点にコーヒーかすを埋めたが、なぜかキュウリだけ枯れてしまった。
同時期に、キュウリの根元に生ゴミに米ぬかを施用したキュウリも同様にかれたため、コーヒー粕の影響でなく、根が高温にさらされたことによる影響と考えています。 ゴーヤは、ちょっとした位置の差異か、キュウリの根より高温に耐性があるためと考えます。



コーヒーかすを米ぬかと共に埋める時は、
高温になるので注意が必要やな
おわりに
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