コーヒーかすを庭に撒くと「除草できる？」逆に「肥料になる？」

　コーヒーかすを皆さん、どのように再利用していますか？　庭に撒くと、草が生えないとか、植物に害を与えると言われていますが、本当か自分の庭で検証してみました。　コーヒーかすを自宅庭の片隅に撒いた結果、雑草を新たに生やさない効果があるものの、生えている植物には影響を及ぼさないことがわかりました。　

コーヒーかすを庭に撒いた効果

　自宅の庭の片隅、白いマンホールの右側と左側の赤で囲った場所に、コーヒーかすを撒きました。　白いマンホール周りや、コンクリ―ト板の隙間を覆っている緑色の葉は、「ダイカンドラ」というグランドカバーに用いられる地面を這って広がる多年草です。

更地に撒く

　ペーパーフィルターに粉を入れてコーヒーを淹れた後に残る「かす」。　そのコーヒーかすを、庭の片隅に白いネームプレートで仕切った区画にそのまま撒きました。

　2か月経過するまで確認したところ、仕切りの外側の植物は育っていますが、内側は雑草が生えず、外側から迫り出した非常に繁殖力が強いダイカンドラも根を張れていません。　草を生えなくする効果が見られました。

多肉植物周りに撒く

　庭の多肉植物を植えている一画に、コーヒーかすを撒きました。　濃い茶色がコーヒーかすで3回分です。　1か月経過しましたが、近くまで非常に繁殖力が強いダイカンドラが根を伸ばしていますが、このエリアへの侵入が遅いようです。　草を生えなくする効果が見られますが、すでに生えている多肉植物には影響がありません。

ダイカンドラの上に撒く

　2か月後を過ぎるあたりからコーヒーかす効果が薄れ、5か月経過すると、ダイカンドラが覆いつくしました。植物が根を張った状態でも除草効果があるか確認するため、2回に分けてコーヒーかすを撒きました。　その結果、すでに根を張ったダイカンドラには影響がありません。

コーヒーかすの効用

成分は99％有機物

　コーヒーかすの99％が有機物であるため、土壌中に埋めることで、土壌を改善することができます。　ただし、その多くは炭素成分で肥料成分の窒素・リン酸・カリの割合が少なく、肥料としての価値は低いです。

ほぼ99％が有機物で、その多くが炭素成分であり、窒素2％、リン酸0.2％、カリ0.3％程度を含有します。この窒素は微生物によって分解されにくいという特徴があります。

コーヒー粕の農業利用 – 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)

発育障害を引き起こす？

　神奈川県の報告書では、コーヒーかすを施用すると「顕著な発育阻害」が認められたそうです。

キュウリ、メロンなどのウリ類については、（培土にコーヒー粕を）1％施用で顕著な発育阻害が認められ、生育途中でほとんどの作物が枯死した。

コーヒー粕による作物育成抑制は、肥料成分のうちでも窒素成分の吸収が要因の一つと考えられた。

引用：コーヒー粕の作物生育阻害因子に関する研究～神奈川県農業総合研究所報告 第138号（1998）

　しかし、上述のとおり庭に撒いても生育中の植物への影響は認められませんでした。　また、以下のようにコーヒーかすを埋めても、植物への影響は認められません。　本当に「顕著な発育阻害」が発生するのか個人的には疑問です。　家庭で発生するコーヒーかすの量では影響ないのかもしれません。

コーヒーかすを生ゴミと土に埋ても異常発生せず

　私は毎週生ゴミを埋めており、コーヒーかすを生ゴミと共に土に埋め、数週間後に掘り返すとドリップコーヒーのフィルターが出てきます。　中身のコーヒーかすは生ゴミと共に微生物に分解され、フィルターは不織布で分解されないため、出土したと考えられます。　コーヒーかすを埋めた影響で近くの植物が枯れた経験はありません。

　参考までに、私が毎週生ゴミの重量を計測し埋めている、2022年の実績はコチラ↓。

　コーヒーかすを混ぜた土でも花は咲く

　コーヒーかす200gを混ぜた土をプランターに入れ、パンジーを栽培しました。　1か月間観察しましたが、異常は確認できず、生育に影響は見られませんでした。

おわりに

　休日にコーヒーを自分で淹れ、ゆっくり味あう時間最高ですよね。　新たなコーヒーとの出会いがあると更に楽しめます。

　発生するコーヒーかすは、そのまま撒けば新たな雑草を生やさない効果がある一方、庭に埋めても害がないことが分かりました。　燃えるゴミに出さず、庭に撒いたり埋めれば土に還るので環境にやさしいですよ。